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Cuペースト/バリア

AgからCuへ。
材料のスペシャリスト集団が、
世界で初めて実用化に成功。

銅ペースト

持続可能な社会をつくる再生可能エネルギー

枯渇性資源に替わるエネルギー源として、また地球温暖化への対策・緩和策として「太陽光エネルギー」への要請が高まっています。特に資源小国の日本においては、エネルギーセキュリティーの観点から、また東日本大震災を端緒とした電力の安定供給の課題を背景に、持続可能な社会を支える“新たな利点を持つエネルギー源”の導入が加速しています。

さらなる普及拡大と自立的成長に向けて待望されるコスト低減

中でも太陽光発電は、近年メガソーラー発電所の建設が相次ぐとともに、戸建住宅においても地方自治体による設置補助金制度や、2012年にスタートした固定価格買い取り制度などの推進策を受けて、普及が加速しています。そしてさらなる普及拡大と自立的成長に向けては、設備導入コスト(価格)の低減が必要不可欠です。

現在、太陽電池セル表面の配線・電極の形成にはAgペーストが使用されています。セルの材料コストの約3割を占めるというAgペーストは、その96%がAg粒子です。元々、高価な上に、価格変動の起きやすいAgを原料にすることは、メーカー、消費者双方の利益に影響します。

代替に向けた大きな障壁を、研究・開発力と技術力でクリア

長らくAg使用量の削減に向けた研究開発がなされてきましたが、それにも限界があります。次なる策として、Agとほぼ同等の導電性をもち、原料コストが1/100という安価なCuを原材料とするペーストの可能性が模索され始めました。しかし、Cuを使用する場合、「CuがSi中に拡散して太陽電池セルの特性に影響を与える」、「Cuが焼成時に酸化して、抵抗値が高まる」などの大きな課題があり、実用化への大きな障壁となっていました。

小池研究室(東北大学大学院工学研究科 知能デバイス材料学専攻)では、SiウェハーとCu配線の間に拡散バリア層を形成するとともに、Cuペーストの酸化を防ぐ焼成条件を見出し、世界の名だたるメーカーが20年以上取り組んでも成し得なかった実用化への先鞭を付けました。